−　赤月　−

 

ねぇ、泣いてもいいですか

あなたのことを思いながら

この瞳が赤く染まるまで

たくさん泣いてもいいですか

 

夕闇に陽が落ちるのを見て

何故かあなたを思い出します

心に空いた大きな穴は

なかなか塞ぐことができなくて

いつもあなたの影を探しては知った

もう二度と触れられないこと

わかってるのに

 

ねぇ、泣いてもいいですか

あなたのことを思いながら

この瞳が赤く染まるまで

たくさん泣いてもいいですか

 

時はとても残酷で

人はあなたを忘れていきます。

それでも、わたしの時間はあの日から

ずっと止まったままで、動こうとしない

 

ねぇ、泣いてもいいですか

もうそばにいることもできないけど

せめて瞼の裏でずっと

あなたの姿を追いかけてゆきます。

 

ねぇ、泣いてもいいですか

あなたのことを思いながら

この瞳が赤く染まるまで

たくさん泣いてもいいですか

 

たくさん泣いてもいいですか